電子書籍なる黒船が海の向こうから来日し、「紙は死滅する!紙は死滅する!」と叫ばれ早数年。

 蓋を開けてみればしぶとく残ってる紙媒体、なんとなくこのまま生き残るんじゃないかと考えてる人も多いんじゃないですか?

 断言します。今のままだと

紙は死にます。

 見てる人はなかなか気付かないかもしれませんが広告ページ増えたなーと思いませんか?実際増えてるんです。
 その理由は単純に広告単価の落ち込みなんですがその数字が凄いですよ!4~5割減は当たり前、中には9割減なんて雑誌もありますからね。

 ギャンブルや風俗といった俗っぽい系の情報誌なんてページめくれば広告広告で、巻末には出会い系のエッチな漫画広告ゾーンが鉄板じゃないですか。
 ウザイと思ってる人が大半だと思うんですけど、そうでもしないともはや雑誌を作れないのです。

 そもそもなぜ広告単価が下がったかというと雑誌が売れなくなったからであり、なぜ売れなくなったかというと、安価な娯楽が溢れて取捨選択の幅が広がったからというのと、必要性がないからです。

 そこをツッコむと長くなりそうなので省きますが、では皆さんが長く抱き続けている疑問、「なぜ電子書籍に移行しないのか?」という事です。

 まず漫画家さんだったり作家だったりライターだったりクリエイター目線の意見。

 これは現状「電子書籍にもして欲しい。だから早く市場を整えてくれ」の状態。

 ミソなのは2点、まず紙はいらないと言っているわけではないという事。

 紙も今までどおりで、電子書籍でも出す、1円でも多くお金をください!という心情があるわけです。

 もう1点はそれを自分でやるつもりはサラサラないという事、誰かがやってくれるのをひたすら待っているわけです。それの理由には知識やノウハウがないといった事や、時間がないという事が挙げられます。

 極端な話、週刊少年ジャンプで週に20ページ(カラー込み)で原稿あげつつそっち方面にも手を出せる作家がいたとしたらそれはもう人間ではないですからね。

 だから最近では赤松健先生や佐藤秀峰先生が色々立ち回っていますが、なんてエネルギッシュでアクティブな人達なんだろうと私は感心します。
(出版社から見ると煙たい行為に映るでしょうが……)

 
 そして出版社側の意見、まず若い人達。

 実は電子書籍を望んでいる人達はものすごくたくさんいます

 じゃあ何故しないのか?これも理由は同じなんです、時間がない

 バ○マンとかいうジャンプ漫画のせいで編集者というものにものすごくかっこいいイメージを抱いている人も多いかもしれませんが、実際は泥臭い作業ばかりですよ。ハッキリ言って肉体労働です、肉体労働。

 私は外注だったのでまだよかったのですが、〆切り前は1週間家に帰れないなんて正社員さんもザラにいました(家庭持ち)
 そんな中で何かマニュアル以外の事に手を付けようなんて絶対に無理です、死んでしまいます。

 
 じゃあ一線を退いた少し上の方にいる人達にやって貰おうとすると、今度はこの人達はやる気がないわけです

 理由は簡単、デスクに座ってるだけで4人家族養う程度の月給はもらえるからです。面倒くさいだけなんです、新しい事をやるのが。

 「電子書籍とかよく分からないから……」とか言っていたオッサンもいましたが知識がないなんてのはいい訳です、だったら勉強しろよと。

 実はこれ、お偉いさん達だけじゃなくて出版社の広報や営業の人にも言える事なんです。

 その人達の仕事というのは新刊が出たら書店に言って「オッス、お願いしまーす!」と頭を下げたり、コミケに赴いて懇意にしてる作家さんに差し入れを持ってたりと、一見足を動かしているようなんですが、結局これも全部マニュアルなんですよね。プラスαの事は実は何もやってないんです。

 だってやんなくても毎月サラリーマンとして定給が貰えるんだもん。

 例えば漫画、日本で売り出したものの盛大にズッコケたとしましょう。でも内容は明らかに海外向け、海外だったらけっこう売れそう!という内容なのにそれを海外で売り出そうとはしないのです、だって面倒くさいから。

 もちろん豊富な資金だったり外国語を扱える有能な人材も必要だとは思います、でもそれ以前の問題なんですよね。「この作品をもっと世に広めたい!」「一山当てて会社をもっとビッグにしたい」という意識が決定的に欠けているのです。

 母体にパワーのある所は広告代理店と組んでインド版巨人の星という作品を輸出した例もありますし、最近では『クールジャパン』という言葉もよく聞きます、もっと自分達でプッシュしていくべきなんですよね。

 ここで話を戻します。なぜ紙は死ぬのか

 勘違いしてる人も多いと思うんですけど電子書籍と戦って淘汰されるわけじゃないんですよ。

 「紙はかさばるから嫌だ」「紙は高い」「紙の温かみが好き」「電子書籍は安い」「電子書籍は便利」「電子書籍は難しい」、実はそういう事はまったく関係ないんです

作り手の『売ろう』って意識が低すぎる

のが問題なんです。

 インターネットやスマホゲームなど安価で手軽な娯楽がたくさん出てきた今、今までと同じ売り出し方で生き残れるわけがないじゃないですか。

 紙媒体を存続させたいなら電子書籍に抗うのではなく、電子書籍と手を組んで他の娯楽と戦わなきゃいけないんですよ。

 その為には出版社の構造や意識改革、クリエイターの製作環境の改善が急務だと思います。

 日本の出版社はモノづくりには非常に真摯なのですが作り出したモノを売り出すことに関しては幼稚園児以下の能力しかないですよマジで。

 ま、それは出版社に限らず日本人全般に言える事なのかな。。